令和2年度の私の再現答案と得点開示結果を公開します。
一年前に不合格だった自分の解答を見てみて、
どんな気付きがあるか楽しみです。
事例Ⅳ
得点結果
53点
再現答案
再現答案の精度は9割以上と思います。計算過程も残して問題用紙で計算してます。
第1問
事例Ⅳは問題文が長すぎるので、割愛します。
【解答】
(設問1)
(a) | (b) | |
① | 売上債権回転率 | 126.53回 |
② | 売上高経常利益率 | 1.65% |
負債比率 | 532.24% |
え?貸借対照表の「販売用不動産」ってなに?
棚卸資産回転率書きたいけど、何て書けばいいの?
分からないから「売上債権回転率」にしよう。
見たことのない項目でいきなりパニックです。事例Ⅲで大きく失敗したと感じていたため、事例Ⅳで取り返さなければというプレッシャーや疲れもあってペースが崩れたように思います。
通常、私の事例Ⅳの時間配分は、全体確認(5分)→第1問の経営分析(20分)→第4問の知識問題(10分)→CVP(20分)→NPV(20分)→予備(5分)という順番です。しかし、R2年度では貸借対照表の項目が過去問で見たことのない形だったことから解答に悩み、30分くらい使ってしまいました。
(設問2)
【解答】
出店計画の無い土地を賃貸するなど効率性は高いが、顧客対応のための費用負担が重く、借入に頼っており収益性と安全性が低い。(59字)
字数制限が厳しい。
設問1との関連付けが不足してるけど仕方ない。
よく言われるのは、設問1の分析結果と与件文を結び付けて、「収益性」「効率性」「安全性」の観点から答えるというものです。設問1で「売上債権回転率」を優れている点で上げているため効率性が高く、他が低いという解答構成になるのですが、与件文から売上債権にかかるところが抜き出せず、「出店計画のない土地を賃貸するなど効率性は高い」としてしまっています。
設問1で「棚卸資産回転率」を書けばつながりも表現できていてよかったのですが、勉強不足でした。
第2問
(設問1)
【解答】
(a)損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動比率)
=28/(1-0.65)=80
(b)80
途中で変動比率が変わるCVP計算なんてやったことない。
全然分からないよ…
(設問2)
【解答】
(a)
ⅰ)期待営業CFは、350.7+(-5)0.3=23
広告料が毎年5かかるため、期待営業CFは、23-5=18
現在価値=18×0.926+18×0.857+26.4×0.794+18×0.735+34.8×0.681=96.22
ⅱ)96.22
(b)
ⅰ)期待営業CFは、250.4+150.6=19
減価償却は営業CFに含まれるとして、
現在価値=9.5×0.926+19x(0.857+0.794+0.735)+46×0.681=55.46
ⅱ)55.46
(c)
①
CVPが全くできなかったので、ここで取り返さなければ!
問題の文字数が過去問で見たことのない状態だけど、
時間内に解けるかな?
とりあえず、なんとか時間内に書ききることができましたし、設問2と設問3は正解できていましたので、CVPの分はカバーできていたかなと思います。
NPVの問題では、最初の1問目にキャッシュフローを計算させたり、R2年度のように選択式の問題があったりと、一部で難易度の低めの設問が用意されていることもあるため、まるっと全て捨て問にしてしまうのは危ないと思いますが、難しい問題に時間をかけすぎて、他の見直しができない方が得点にはつながりにくいため、時間配分がとても重要だと感じます。
また、基本的に「過去問」と「30日完成!」のレベルが解けるようになっていれば十分合格には問題なく、「イケカコ」レベルが解けるようになれば高得点が狙えるというイメージです。NPVで「イケカコ」レベルの難問が出題されたときに他の受験生との得点差が10点程度しかつかないことを考えると、他の問題を完ぺきにしたり、他の事例の勉強に時間を割いた方が効率的です。
第3問
(設問1)
【解答】
簿価の550万円を純資産額に加え、時価との差額をのれん代として損失計上する。(38字)
(設問2)
【解答】
簿価よりも時価が低いこと、当期に純損失が発生していること、負債が多く安全性が低いことから買収を見送る提案をする。(56字)
負ののれんがまったく頭になかったです。
設問2でも買収のリスクの助言に対して、買収を見送る提案を
してしまい「聞かれたことに素直に答えない」状態です。
簿記3級の勉強も一次の時には多少やってはいたのですが、しっかりとやってこなかったため完全に知識不足で答えられませんでした。その焦りを引きずる形で設問2もボロボロです。
この年の一次試験でも簿記に関する部分の出題が例年よりも多かった気がします。よく一次試験で出た問題に関連する問題が二次で出題されるという話もありますので、2次試験の勉強に取り掛かる前には、一次試験の振り返りもしておくべきだったと思い、2年目には一次試験を受けていませんが「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」については問題を解いて確認をしました。
第4問
(設問1)
【解答】
(a) 4.31
(b) 2.55
(設問2)
【解答】
3.75
(設問3)
【解答】
(a) 投下資本への共通固定費の割付が不明確な点。(21字)
(b) 各事業毎の貢献利益で評価を行うこと。(18字)
ROIってなんだっけ!?
全然わからん!?
与件文にヒントがあることが多いです。R2年度も「ROI(投下資本営業利益率)」と与件文に書いてありましたので、これをヒントに設問1は解くことができました。
このように、最後の知識問題では与件文にヒントが埋め込まれていることが例年多いと思います。そのため、第1問で経営分析を行う際に財務指標と与件文から解答を作りますので、その与件文が頭に残っている間に第4問を解くという流れで私は解いています。
まとめ
1年経って振り返って気付いたことは、
- 第1問の経営分析と知識問題は落とさないようにする。
- 公式を覚えるだけでは解けなくなってきている。
60点を取るためには、第1問の経営分析と第4問(R2年度では第3問も)の知識問題が完ぺきに解ければ、CVPとNPVの計算式で加点がもらえれば大丈夫と思います。ですが、知識系の問題は得手不得手もありますので、CVPができるようにしておくことが大切です。また、NPVで問われるキャッシュフローなどのみんなが解ける低難度問題も拾えるようにしておくと安定して60点が取れるようになると感じます。
また、R2年度やR3年度では、従来のCVPの問題から少しひねった解法で求める問題が多いので、損益分岐点売上高の公式だけではなく、公式の分解なども見つつ、柔軟な頭で対応する必要がでてきたかなと思います。